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食うに困らぬ福の神

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21、2年前、リュウボウの北海道展で出会ったのが20センチ程の素朴な木彫り、蕗の下の神さまコロボックル
2体あって小さい方だった気がするが、25000円と高かった。
当時は自分も時間給の非正規雇用、長男も大学生で2人の送金で大変な時期だったのに、よく買ったものだ。
暮らしの足しにと始めた2足目のワラジの研修会で、毎月那覇へ行ったが、その往復の航空運賃の支給があって現金を持っていた。
持ち帰れば、右から左へ消えてしまう。
我が道を行く夫への反発もあった。
それに、購入の決め手は、これが食べるに困らないお守りだと聞いたから。

月1で那覇に出るたび、予備校生だった娘のアパートを覗きに行っていた。
半畳の台所で自炊して、洗濯機も無くて、雨の休日はコインランドリーに洗濯に行く約しい暮らしだった娘に、「食べるに困らない御守りだって言うから、しばらく貸しておく」と言って置いてきた。
家に持ち帰れば、夫の目が三角になりそうだった。
娘は、1万円余で買える2層式洗濯機の方がありがたいのに…と言っていたが。

その後、娘は無事大学生になり、卒業後に出会った彼と結婚して子供ができ、素敵な家を建ててからも、コロボックルは娘と一緒に引っ越して台所に飾られた。
何度か、そろそろ返してくれないかと言ったが、娘は首を振る。愛着があったらしい。

先日、留守番に行った時、台所の棚で埃をかぶっているコロボックルを見て、ウチに連れ帰ることにした。
「年金暮らしになったし、今からは私に必要じゃない?」
娘は渋ったが、埃をかぶっているのを見られた手前、強くも断れなかったらしい。
綺麗に磨いてサッサとバッグにしまった。
娘は「本当に持っていくの?」と名残惜しげだった。

ウチの台所のカウンターの隅に置いたら、長男から余計なものは置くなとクレーム
食うに困らない守り神だから、台所がいいのだと言っても、ぜひ飾りたいなら自分の部屋へ持って行けという。
自室のキャビネットの上に移した。

おかえりなさい。食うに困らない守り神
これから2、30年?私が生きてる間は見守ってね。
20年も前のものと思えないくらいつやも良くて、ひょうきんな顔で立っていらっしゃる。


by isozineko | 2016-10-19 13:08 | Trackback | Comments(2)

Commented by fu-and-boro at 2016-10-20 10:02
写真を見てコロポックルとすぐに分かりました。
私たちには馴染みの神様ですが沖縄のisozinekoさんが
どうしてこの像を持っているのか…、北海道のお土産?なんて思っていましたが
そういうわけだったのですね。 でも25000円は高いですね。
こういう木彫りの価値は知りませんが考えちゃうな…、どのくらいの大きさなのですか?
今まで娘さんを見守ってきたのです。持ち主のisozinekoさんの番ですよ。

もう50年くらい昔ことですが小学校の学芸会で妹がこのコロポックルを主役にした
お遊戯に出たのです。どういうわけかこの時の歌を私が覚えてしまって
今でも一部ですが覚えているのです。
♫〜 コロポックル、コロポックル…
コロポックルはアイヌの神さま♫〜
その後はおぼろげなのですがちゃんと歌うことができるのです。

コロポックルはアイヌの神さまです。
これからもisozinekoさんを守ってくれますよ。
Commented by isozineko at 2016-10-21 17:34
コロポックルなのですね。コロボックルと覚えてしまってて。
アイヌの衣装を着た方が自分で彫ったものだと言っていました。
黒い木の熊などもありましたが、なぜかコレが気に入ってしまいました。
外は白っぽくて、芯がこげ茶の木です。
那覇市内のデパートで、日本各地の物産展をしますので、楽しみなのですよ。
総じて高いですね〜これは20cmくらいです。