子馬の通せんぼ
昼過ぎに川原集落まで行った
用事が済んで帰るときに、畑の畦に繋がれた白と茶の混じった小型馬が目に入った
与那国馬かしら、小型でたてがみも尾っぽも長くてきれいな馬だ
写真を撮ろうと、すぐ近くの農道に入ってよく見たら親子馬だった
母馬はつながれているが、子馬は繋がれていない
少し先のT字路でターンしようと、わき道に突っ込んで、カメラを出してから
さあ、バックしようとミラーを見たら、なんと白っぽい子馬が車の後ろにぴったりくっ付いていた
白い小型車なので、子馬には仲間と思ったか付いてきてしまったらしい
車は細いわき道に斜めに止まったまま進むこともできないし、
後ろのガラスに鼻面をくっ付けて立っている子馬がいてバックもできない
子馬は車の後ろにじっとして動かないし、緊張しているようで、耳を立てている
子馬と言っても私より大きいし、出て行って体当たりでもされてはたまらない
母馬の繋がっている畑のそばに、野良着姿のおばさんが出て来て心配そうにこちらをじっと見た
私がカメラを構えていたからか、おばさんは安心したように向こうへ行ってしまった
仕方ない。子馬の動くのを待って、のろのろと方向転換した
今度は、子馬は車の前に廻って、お尻を向けたままピンと耳を立て、
こちらに意識を集中している様子で、道の真ん中に立っている
繋がれた母馬は、遠くの方からこちらを気にしている見ている
100mも先で野良仕事をしていた人が起き上がって、何事かとこちらを見ていた
子馬に道をふさがれたまま立ち往生しているマヌケな車にあきれたのか、作業に戻ってしまった
何人かが向こうの道を通ったが、なんとかしてやろうとは誰も思わないらしい
仕方ない。写真を撮りながらじっくり子馬を見た
子馬は道の真ん中に陣取ったまま土の匂いをかいだり、おなかの辺りを鼻面で掻いたりしている
子馬が少しずつ動くのに合わせて、私も少しずつ前に進む
車が進むと、子馬は緊張したようにまた立ち止まってこちらを伺う
右に寄ったので横をすり抜けようと動き出すと、わざと車の前をふさぐように動く
何度かの攻防の後、ようやく隙間ができたのでゆっくりと脇を通り抜けた
子馬は後を追ってくる
仲間と思ったか、よっぽど気に入られたらしいが、このまま付いて来られても困る
大通りに出る手前で、黄色い小型車がウインカーを点滅させて進入の合図を送ってきた
ゆっくり曲がってミラーを見ると、まだ追いかけて来る子馬の前に黄色い車が割って入った
黄色い車がパッパーと警笛を鳴らしたら、子馬は母馬の方に走って逃げていった
あんなに早く走れるんだ~
付いてこられても困るけれど、もう少し付いてきて欲しかったような…
ちょっと心残りな気持ちで帰ってきた
でも、あんなに近くで子馬を見たのは何十年ぶりだろう
by isozineko | 2013-06-07 19:12 | びっくり! | Trackback | Comments(2)