ある老人の話し
世間が季節外れの超大型台風で騒いでいた中、私はとんだ騒動の渦中にいた。
きっかけは先月下旬のある大会
会場には離島から出席した知人夫婦がいた。
ご主人とは、一時期同じサークルに所属したことがある。
容貌も歩行も老人そのもので、だいぶ老けたなあと思いながら、笑顔で久しぶりのご挨拶をした。
今月に入って、そのご主人から電話があった。
共通の知人から私のケータイ番号を教えてもらったと言う。
先日は懐かしかった。話もできなかったが、年末年始に5日ほど那覇へ行くので、会ってくれないか と言う。
来るのなら、ついでに会って島の友人たちの近況も聞くのも良いかと思ったが、わざわざ出かけるのは気が重い。
予定が分からないので、都合がつけば…と曖昧に返事をした。
俳句仲間の同人誌を送ってくれると言うので、住所も教えた。
さて、それから…
朝に晩に日中にも電話が来る。
あまり頻繁なので、 日中はボランティア活動をしている。外出中や運転中は電話に出られません とショートメールを送った。
電話攻撃よりマシと思い、短い挨拶を返していた。
そして今月初めのこと
同人誌は来ず、会う約束が成立してもいないのに、当日はタクシーで来るようにとお金が送られて来た。
追いかけて手紙が届いた。
若い頃に友人宅で同席して以来、密かに思い焦がれていた。あなたが独り身になったと聞いた。家族を愛しているから結婚はできないが、あなたを心の妻にする…と熱烈なラブレターだった。
びっくり仰天した。
届いたか、読んだか、これが自分の気持ちだ と、更に電話の追い打ちも。
気持ちは嬉しいが、あなたの希望には応えられないと話した。
もう電話に出ない事にしたら、ひっきりなしに掛かって来る。
着信音がストレスになった。
奥さんが知ったらどんなに悲しい事か、あなたの気持ちを知った上は、会いには行けない。
私にも好意を持ち合う友人がいる。あなたの気持ちには応えられない とメールで返事した。
わかった。あなたの言う通りだ 終わりにしよう。妻にバレるからお金は絶対に返さないで … とメールが来て(終わりも何も、付き合ってもいないが…)ホッとしていたら、翌日には…
2人で会えないなら、僕の友人と3人でカラオケに行けないか?とメール
終わりにする。長い間ありがとう とメールが来てたのにカラオケ?長い間って何??
知らない人とカラオケには行かない と返事したら、では、2人で行こう。そこで軽い口づけをしたい。あなたの正直な気持ちを聞かせて欲しいと…
ショックだった。
口づけって!想像すらしたくない。
会ってくれないかとは、そういう意味だったのだと、やっと気付いたのだ。
喫茶店でコーヒーでも飲みながら、友人たちの近況報告をきこう…なんて思っていた私がバカだった。
傷つけまいとして、やんわり断ったのではダメなのだと悟った。
友達の1人として付き合えればと思っていたが、あなたの気持ちを知った以上、もう無理。
奥さんが知ったらと思うとたまらない。
正直なところ、あなたの電話もメールもストレスになっている。
今後は電話もメールも無用に願いたいと メールで絶好宣言を送った。
そうしたら…
分かった。約束を破ったから、お金は返してもらいますと、口座番号が送信されて来たのが昨日の昼過ぎ。
勝手に送りつけて、返すなと言ったり、返せと言ったり…なんでこうも振り回される?
そもそも会う約束なんて最初からしていない。
最初からもらう気なんかないし、もちろん返すわよ!憤慨して、即、郵便局へ行った。
休日のATMにカードを差し込んで、暗証番号を入れた。
番号が違うとハネられる。
そんなはずはない!と思うが、頭に血が上っているから、暗証番号が思い出せない。
3度試したら、平日の窓口に来いとメッセージが表示されて機械が閉じられた。
散々振り回された挙句がコレだ!
貰いつけないラブレターなんぞ貰って、付き合う気もないのに、つい浮かれた私が悪いのか。
それにしても、独りよがり老人の恐ろしさよ!
by isozineko | 2017-10-23 12:50 | Trackback | Comments(4)