思い出~私を育てた一言

他所さんのブログから、中学時代の出来事を思い出しました。
コメントに書いただけでなく自分のところにも残さなくては…と思ったので追記しておきます。

何かを好きになったりその道に進んだりするきっかけが、教師の何気ない一言だったというのはままあることです。

エピソード1
 中学1年の図工の授業で、校庭の写生がありました。
私は大雑把に当たりをつけて色を塗るのが苦手で、エンピツで細かいデッサンをしてしまいました。
時間内で他の生徒は色を塗って仕上がっていたのに、私のはエンピツ画だけで色を塗る暇がない。
授業の目的からは外れていたのに、先生は私の画をほめてくださって、「そのままでいい。色を塗ってはもったいない」とおっしゃいました。
あれから図工の時間が好きになって、高校では芸術科目は美術を選択し、エンピツデッサンが得意でした。
美術全般に興味も出て、学生時代には美術館へもよく行きました。
今でも上京して暇ができると、上野の森に足が向きます。
思い起こすとそういうことってほかにもいろいろあります。
基本にあるのは、画一でなく1人1人を良く見て、特性を認め褒めて伸ばすということなんでしょうね。
子育てにも言えるし、日本校を引っ張る校長に求めることもそれかしら。

エピソード2
小学3、4年生の頃、学校で書いた詩が郡のコンクールで特選に入り地方新聞に掲載されたことがあって、国語が得意な小学生でした。
室生犀星や石川啄木の詩が好きで、6年生の時には昼休みに一人教室で万葉集の和歌などを諳んじたりするマセタ子どもでした。
特に頭が良い訳ではなかったけれど、地域では進学校だった高校に入りました。
前身は父や祖父が通った旧制の中学校で男子が多く、女子はクラスの3分の1程度でした。
高校1年のときの現代国語の先生は、声の優しい独身の男性教師でした。
先生が読む三好達治や萩原朔太郎の詩がステキで、近代詩が好きになったのはこのころです。
新学期間もないころの授業で、詩の解釈を習い、高村光太郎の詩『道程』の解釈が宿題に出されました。
  僕の前に道はない。僕の後ろに道はできる…というあの詩です。
次の授業のとき、先生は私の解釈をみんなの前で読み上げて、「この解釈はすばらしい。私のよりずっといい」というようなことをおっしゃいました。
うれしくて誇らしくて、この先生の授業が大好きになりました。
褒めてもらった評価を落としたくなくて、国語だけはけっこうがんばっていつもよい点を取りました。
あの頃、国語をしっかり勉強したことが、その後とても役に立ったと思います。

ブログは私の日記で、生きた証ですから、昔の出来事を思い出したときに書いておこうと思います。
現役時代は怖い教師だったと評判の姑が、晩年にいろいろな昔話を聞かせてくれました。
死期を悟った潜在意識のなせる業だったのかもしれません。
生徒とのエピソードや戦前戦中の教育界のこと、舅が教育事務所勤務時代の沖縄の教育活動など興味深い話がたくさんありました。
書き物の好きな姑で、家族の歴史も書きかけていましたから、ご自分の経験もぜひ書いて残してくださいとお願いしましたが、そんな余裕もないほどにあっけなく逝ってしまいました。
姑が残したたくさんの資料は、家族にとっても貴重な財産だったはずですが、全部、興味もなかった長男のところに運ばれ、自宅庭に設置した倉庫に詰め込まれました。
東京時代に私がせっせと書き送った子どもたちの成長記録の手紙の束もありました。
返して欲しいとお願いしましたが、そのまま長男宅に送られそれきりです。
どれも日の目も見ないまま、おそらく湿気でだめになっているでしょう。
姑が語った諸々も、今では小さな断片しか思い出せません。
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by isozineko | 2011-08-26 12:40 | 昔語り | Trackback | Comments(5)

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Commented by taro012345 at 2011-08-28 19:56 x
学校では、先生に褒められることも少なかったので、たまにほめられると記憶に残りますね。先生は、少しでもいいところを見つけてほめてやりたいものです。
Commented by isozineko at 2011-08-29 12:39 x
自分史が静かなブームです。
知人が書いてみようかといったら、一介の老婆が自分史?と笑われたと憤慨していました。誰でも自分の人生では自分が主役なんですよね。
大人も子どもも、自分を好きでいることはとても大事だと思います。
自分の存在を肯定することは、他人も大事にできることにつながるんですから。
Commented by taro012345 at 2011-08-29 20:30 x
いかにも、どんなに出来の悪い自分でも自分を好きでなきゃね。
Commented by kattyan62 at 2011-08-30 12:13
書き残すことの大切さは、古書を読み解くことで過去を知り、今に生かせることができますね。isozinekoさんの今までの生き様や歴史、その時の思いなどをブログに書き留めていただけると、読者の希望へとも繋がることもできましょう。
小学校、中学校を通して国語、言葉の面白さを理解した人なればの言葉をお願いします。
Commented by isozineko at 2011-08-30 13:33
にいにい、読者の希望へ繋がるなんて大層な事にはならないでしょうが、自分のため、いつか子どもたちが読むかもしれない私の青春時代の記録を書き残すのもいいかもしれません。ボチボチね。